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建設の作業員は、派遣も紹介もできません|合法的に人を増やす3つの形

テーマ:採用・求人票の設計
30秒で結論

建設現場の作業員は、労働者派遣法4条1項2号で派遣が、職業安定法32条の11で有料職業紹介が禁止されています。派遣・紹介できるのは施工管理・CAD・現場事務などの技術者領域だけです。作業員を合法的に増やす形は、①自社で雇用して工事を請け負う ②特定技能で直接雇用する(登録支援機関と連携)③採用活動そのものを強化する、の3つに限られます。

「人が足りないから、どこかから借りてくればいい」

建設業でこの発想が通用しないのには、はっきりした理由があります。建設現場で働く作業員は、労働者派遣も有料職業紹介も、法律で禁止されているからです。

意外に思われるかもしれませんが、ここを知らないまま業者の提案に乗ってしまうと、御社が罰則の対象になる可能性があります。まずここを整理させてください。

何が禁止されているのか

手段建設作業員への適用根拠条文罰則
労働者派遣禁止労働者派遣法 4条1項2号1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(59条・法人も両罰)
有料職業紹介禁止職業安定法 32条の11無許可営業は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(64条)
労働者供給(業として)禁止職業安定法 44条同上

ここでいう「建設業務」とは、土木・建築その他工作物の建設・改造・保存・修理・変更・破壊・解体の作業と、その準備作業を指します。つまり、現場で手を動かす仕事はほぼ全部これに当たります。

では、なぜ「建設派遣会社」が存在するのか

世の中には建設系の人材派遣会社がたくさんあります。あれは違法なのかというと、違います。

彼らが扱っているのは、作業員ではなく技術者と事務です。

  • 施工管理(施工計画・工程管理・品質管理・安全管理)
  • CAD/BIMオペレーター
  • 現場事務

この領域は派遣も紹介も合法です。逆に言えば、作業員そのものを扱う派遣・紹介ビジネスは、合法的に存在できない構造になっています。営業を受けたときは、話しているのがどの職種なのかを必ず確認してください。

「請負にすればいい」が、いちばん危ない

禁止されていると聞くと、次に出てくるのが「では請負契約にしよう」という話です。ここが最大の落とし穴になります。

契約書の表題が請負でも、実態として発注者側が指揮命令をしていれば、偽装請負です。そして偽装請負は派遣法違反に転化し、労働者派遣法40条の6の「直接雇用みなし」が適用されうる状態になります。

これは机上の話ではありません。東リ事件(大阪高裁 令和3年11月4日判決/最高裁 令和4年6月7日で確定)で、全国で初めてこの規定が適用されました。気づいたときには、相手の会社の労働者を自社が直接雇用したものとみなされるという結末です。

丸投げに近い形、あるいは自社の職長が日々細かく指示を出している形は、どちらも危ない側に寄っています。

合法的に人を増やす、3つの形

では現実にどうするか。取れる形は、この3つに絞られます。

① 自社で雇用して、工事を請け負う

作業員を自社の社員として雇い、工事を請け負って現場に入れる形です。これがいちばん素直な形ですが、500万円以上の工事には建設業許可が必要で、現場への実質的な関与も欠かせません。実質的には「建設会社になる」道であり、重い選択です。

② 特定技能で直接雇用する(登録支援機関と連携)

外国人材を特定技能「建設」で受け入れる形です。特定技能は直接雇用に限られるため、派遣の問題は生じません。

建設分野は特定技能のなかで唯一、民間の有料職業紹介が禁止されている分野です。そのためマッチングの合法ルートは、JAC(建設技能人材機構)の無料職業紹介、登録支援機関や送出機関を通じた候補者の形成、同胞コミュニティからの紹介に限られます。

要件や費用の全体像は、外国人材の受入れ支援のページに書き出しています。

③ 採用活動そのものを強化する

自社で募集して、自社で採用する。当たり前に聞こえますが、建設業では求人を出した会社の約9割が応募3名以下、約3割が応募ゼロという調査があります(助太刀総研2024・n=172)。

裏を返せば、競合の大半は求人運用の素人だということです。求人票の書き方と応募後の初動を整えるだけで、上位2割に入れる市場でもあります。この話は採用・求人票の設計にまとめました。

なお、採用支援を外部に頼む場合も線引きがあります。募集情報の提供までは合法ですが、人選や条件交渉まで踏み込むと職業紹介に該当し、建設の作業員ではアウトになります。

例外制度はあるが、実質的に使えない

建設業務労働者就業機会確保事業、建設業務有料職業紹介事業という例外制度は存在します。ただしこれらは建設事業主の団体しか利用できません。有料職業紹介の認定を受けている団体は全国で数団体という規模で、株式会社が単体で使える制度ではありません。

まとめ

  • 建設の作業員は、派遣も有料職業紹介も禁止(派遣法4条1項2号・職安法32条の11)
  • 派遣・紹介できるのは施工管理・CAD・現場事務などの技術者領域
  • 請負の形だけ整えても、実態が指揮命令なら偽装請負。直接雇用みなしのリスクがある
  • 合法な形は、①自社雇用+請負 ②特定技能での直接雇用 ③採用活動の強化——の3つ

当社は、人材紹介・労働者派遣・登録支援機関のいずれの許可・登録も受けていません。人を送り込んで手数料をいただく立場にないからこそ、②と③のどちらが御社に向いているかを、利害抜きで一緒に考えられます。

よくあるご質問

建設の作業員であれば、その提案は法律上成立しません。労働者派遣も有料職業紹介も禁止されているためです。相手が施工管理者や現場事務の話をしているのか、それとも身分系の在留資格を持つ方の話なのかを確認してください。作業員そのものを送るという話であれば、その取引には関わらないほうが安全です。
契約書の形だけを請負にしても、実態が発注者からの指揮命令であれば偽装請負と判断されます。その場合は派遣法違反となり、労働者派遣法40条の6の「直接雇用みなし」が適用されうる点に注意が必要です。実際に、大阪高裁令和3年11月4日判決(最高裁令和4年6月7日確定)で全国初の適用がありました。
それらの会社が扱っているのは、施工管理・施工図・CAD/BIMオペレーター・現場事務といった技術者や事務の領域です。この領域は派遣も紹介も合法です。現場で手を動かす作業員そのものを扱う派遣・紹介ビジネスは、構造上、合法的に存在できません。

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